竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~

(なんだか、いつも思うけどアリスタ国の若い子と同じだなぁ……)

 ミレイナが住んでいたアリスタ国では竜人は『野蛮な人種』『残虐な人種』とされていた。
 けれど、こうしてラングール国に連れてこられて始めて目にする竜人達は、なんらアリスタ国の人間と変わらないように見える。

 時々こうやって物陰で会話を聞いていても、美味しいご飯の話やお洒落の話、恋の話など、アリスタ国の年頃の女性と同じような話題で盛り上がっている。

「ロベルト様ってね、竜化したときのお姿が少しグリーンがかっていて、とっても素敵なの。この前近くで見て、うっとりしちゃった」
「え? もしかして、乗せてもらったの? 凄いわ、もう結婚秒読みね」
「でも、お美しいと言えばジェラール陛下に敵う方はやっぱりいらっしゃらないわよね。あの銀色に輝くお姿、本当に素敵」

 メイドの一人が頬を染めてほうっと息を吐く。
 竜人と言うだけあって、ラングール国に住む人達は竜に変化できる。