そして、ぐいっとミレイナの腕を掴んで引き寄せると、耳元に口を寄せる。

「あまりに可愛らしくて、食べてしまいほどだ」
「た、食べないで下さい。私は食用ウサギではありません」

 真っ青になるミレイナを見て、ジェラールはくくっと笑う。

「さあ? どうしようかな」

 鼻先がつきそうなほどの距離で囁かれ、トンと背中に壁が付く。
 逃げ場をなくすように囲われると、顎を掬い上げられ唇が重なった。

 竜王陛下の溺愛は今日も続く。


〈了〉