竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~

 ミレイナは先ほど衛兵から自分を守ってくれた加護がジェラールによるものだとは知らなかったので、ララを助けてくれたときとミレイナを助けてくれたときの『二回』を思い浮かべてそう言った。

「これまで黙っていて、申し訳ありません。──私はただ、あなたに気味が悪いと思われるのが怖かった」

 獣人は元々の人数が少ない上に、半分が獣だと忌み嫌われる存在だ。ミレイナがラングール国に滞在した間に知る限りでは、ラングール国には獣人はいないように見えた。

(きっと、さぞかし気味が悪い人間だと思われているわ)

 ミレイナは悲しみに耐えるように、視線を伏せた。

 するとジェラールはミレイナに回していた腕を少し緩めて距離を取ると、ミレイナの顔を覗き込んできた。出会った日の青空のように澄んだ水色の瞳と目が合う。

「気味が悪いものか。……俺を助けるために、危険をおかしてここに来てくれたのか?」
「はい」

 こくりと頷くミレイナを、ジェラールはまるで愛しいものでも見るような、蕩けるような瞳で見つめてきた。