竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~

「おやめなさい」とレイラが片手を上げる。
「このかわいそうなお方はきっと、仲良くしていた女性がいなくなって混乱しているのよ。そうね、お情けで教えてあげる。あなたの懇意にしていた子は平民上がりのメイドであるにも拘わらず、陛下に近付いて色目をつかったの。だから、メイド長にお願いして異動していただいたら、結局やっていけずに辞めたのよ。残念だったわね」
「なんだと?」

 ジェラールは低い声を上げた。
 今の話が事実だとすれば、ミレイナは強制的に異動させられたことになる。しかも、自分に言い寄ったという事実無根の疑いによって。

 あの日、なぜ黙って辞めたのかと詰問したジェラールを見上げたミレイナの泣きそうな瞳が脳裏に甦る。

「その告げ口は、お前達がしたのか?」
「告げ口ですって? 口の利き方に気を付けなさい。わたくし達は陛下付きの侍女なのよ? 陛下に相応しくない人が近付いたら、きちんと対処する義務があるわ」

 レイラは不機嫌そうに眉を寄せる。