そして、自分がミレイナにしてやれる唯一のことは、彼女が望むような生活をすることを叶えてやることだけだと悟った。

 最後に背に乗せたのは、ミレイナが自分の思いに応え、やはりラングール国に残ると言ってくるのではないかという僅かな望みを託したものでもあった。

 魔獣達が覇気のないジェラールを心配そうに見つめ、手の甲を舐める。ジェラールは少し口元を綻ばせ、魔獣達を見つめた。