「うん、美味しい」

 独特の甘みがあり、歯ごたえもよい。ミレイナの大好きな味だ。

 それなのに──。

「なんとなく味気ないな……」

 ミレイナははあっと息をつくと、座っていた椅子の背もたれにもたれかかった。