「わかった。この子達が心配なんでしょ? 大丈夫、私がちゃんと世話するから。それに、ミレイナが抜けたら誰か別の人が魔獣係になるはずだから、一緒に頑張るよ。ミレイナはたまに遊びにきて」
「……うん、ありがとう」

 これ以上、心配かけさせるわけにはいかないと、ミレイナは無理やりに笑顔を作って見せる。

 リンダはホッとしたように微笑むと「よしっ!」と立ち上がった。

「今日は舞踏会だよ。そろそろ参加者がみんなダンスホールに集まっているはずだから、こっそり見に行こうよ」
「え? 行けるの?」

 ミレイナは驚いて聞き返す。

「中に混じるのは無理だよ。でも、庭園からこっそり眺めるくらいなら大丈夫。私がとっておきの場所を教えてあげるから行こ」
「うん」

 リンダはミレイナの手を引いて歩き出す。