それはつまり、この異動を受け入れないのならば、その苦情に対して対処しきれないのでメイドはくびだと言っているのだ。
 きっとメイド長なりに気を利かせ、穏便にことを済ませるためにこのような人事にしたのだろう。

「……。かしこまりました」

 それ以外に、答えようがない。
 ミレイナは悔しさから顔を俯かせ、唇を噛んだ。