「ふふっ、可愛い……」

 ペンダントを外して眺めるのは、これで何度目だろう。
 浮き彫りにされているのは美しい白い竜、カメオの背景はジェラールの瞳を思わせるような鮮やかな水色。
 魔力を帯びているのを感じるので、材質は魔法石だろうか?
 見ているだけで惚れ惚れとしてしまう。

[ミレイナー! 見て、かっこいいでしょ?]

 ひとりペンダントトップを眺めてにまにまとしていると、走り寄ってきたエミーナが得意げに頭を上げて金の首飾りを見せつけてきた。

[ええ、とっても素敵ね!]

 ミレイナはにこりと微笑むと、エミーナは嬉しそうに尻尾をブンブンと振ってまた外の遊び場へと遊びにいく。今朝から何回も聞きにくるのだから、嬉しくて溜まらないようだ。