竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~

[あそこの上だよ]

 ようやくラトが立ち止まり、こちらを振り返る。

 ミレイナはラトの向こう側、前方へと視線を向けた。ロッククライミングでもするような切り立った高い崖が目の前に立ち塞がっている。その上には、ドラゴンが飛んでいるのが見えた。

[クレッグ君の匂いがするよ]

 エミーナの言葉に、ミレイナは[え、本当?]と聞き返す。

[うん、する]
[上の方かな?]

 シェットとレイーコもエミーナの言葉に同意するようにそう訴え始める。

(崖の上にいるってこと?)

 ミレイナは崖を見上げて目を懲らし、耳を澄ます。
 周囲の音に交じり、僅かに子供の泣き声が聞こえてきた。