[そうだね、ありがとう]

 首にぎゅっと抱きつくと、ふわふわの毛並みに触れてスーッと寂しさが和らぐの感じた。

[みんながいるから寂しくないわ]
[うん、そうだよ。それに、ジェラールも毎日会いに来るじゃない? ジェラールも友達だわ]

 エミーナはふりふりと尻尾を振る。
 ジェラールはあの晩以来、ミレイナがいる時間にも時折獣舎に来ること増えてきた。やはりあそこに来ていることを周囲に知られるのは嫌なようで、薄暗くなった頃が多い。

[ふふっ。そうね]

 竜王陛下をお友達など、恐れ多い。
 けれど、そう言われて悪い気はしなかった。