[ミレイナ、どうしたの?]

 ネモフィラを見つめたまま感傷に浸っていると、いつの間に近くにきたのか、エミーナが不思議そうにこちらを見つめていた。

[あ。ちょっと、お友達のことを考えていたらさみしくなっちゃったの]
[お友達?]
[うん。私が生まれた国にいるのよ]

 エミーナは少し首を傾げてからミレイナに近づくと、片足をミレイナの膝の上に載せる。

[今は私がお友達でしょ?]

 ミレイナは目を見開き、エミーナを見つめる。
 エミーナの後ろから、他の魔獣達も何事かと集まってきた。

[どうしたの?]
[ミレイナがお友達に会えなくなって寂しいんだって。だから、私が友達だよって言ったの]
[僕も友達だよ]
[僕も、僕も!]

 次々にそう言って慰めてくれる魔獣達に、ミレイナは相好を崩す。