愛情深いと聞いて、ふと思い当たることがあった。
 ジェラールもペットとして二週間過ごしただけのララを必死に探していた。もしかすると、ドラゴンだけでなく竜人もそういう傾向はあるのではないかと思った。
 未だになぜミレイナを食べるだなんて言ったのかだけが謎だけど。

「そうですか。では、早めに返すようにします」

 ミレイナはこくりと頷く。

 ふとジェラールの足下を見ると、魔獣達が集まってきていた。きっと、みんなジェラールやゴーランと遊んでほしいのだ。
 けれど、ちょっと様子を見に来ただけの忙しいジェラールを掴まえて遊んでやってくれと言うのは無理があるかなとも思い直す。

「陛下。よろしければ、この子達を撫でてあげてください。とても喜ぶので」

 ミレイナは少し考えてからそう声をかけた。ジェラールは驚いたようにミレイナを見返し、自分の足下で尻尾を振る魔獣達に視線を移す。
 ジェラールが手を差し出すと、魔獣達はより一層尻尾を強く振った。

「可愛いでしょう?」