ゴーランを伴ったジェラールはゆっくりと魔獣舎に近付き、物珍しそうに今日できたばかりの遊び場を柵越しに眺めていた。

(忙しいって言っていたのに、来てくれたのね)

 当日の内に魔獣舎に遊びに来てくれたことに、ミレイナは無性に嬉しくなった

「陛下! 遊びにいらしてくれたんですね!」

 獣舎の物陰から飛び出したミレイナは、思わずジェラールにそう声をかける。
 一方のジェラールは、ミレイナがまだいると思っていなかったようで驚いたように目を見開いた。

「いや……、工事がきちんと済んだのか確認しに来ただけだ」
「え、そうなんですか?」

 遊びにきてくれたわけではないと知り、少しがっかりした。けれど、ミレイナはすぐに気を取り直すと、背後の遊び場を片手で指し示す。