「それは偏見じゃねぇの? だいたい、エロ本持ってる男子よりこんな動画学校で見るお前らの方がよっぽどヤベぇわ」
振り向くと、そこには……
「……し、白石先生!?」
そう、そこに立っていたのは、白石悠人先生。
数学の先生なんだけど、教え方が上手でしかもイケメン高身長、さらには気さくな性格なので、男女共に人気がある。
歳は確か、26歳って言ってたかな。
「なんでここにいるんですか!?」
おっと、今の状況を忘れてた。
はぁ……なんでよりにもよって私のスマホで見てる時に……。
「ああ、バレー部にちょっと用事があってな」
そうそう、先生は男子バレー部の顧問でもあるんだ。
バレー部員よりも人気だったりする先生。
まぁ、かっこいいとは思うけど、私は別に興味無い。
大体、10コも年上だしね。っていうかその前に、先生を恋愛対象に見るってこと自体私の中では有り得ないことだ。
「ってことで、分かったな? 春瀬」
「へ!?」
やばい、聞いてなかった……!
「ったく……なにボケーッとしてんだよ。これ、お前のスマホだろ? 学校でこんなん見てたってことで没収するから、放課後俺んとこ来いよ?」
「はい……って、えぇ!?」
いやいやいやいや先生、待って下さいよ!
これは、私の意思で見てたんじゃないし!!
って言いたかったけど、時すでに遅し。
先生は手をヒラヒラ振りながら教室をでていってしまった。
「結那、どんまい☆」
呆然とする私に、茶化すように言う美波。
いや、『☆』じゃないから。
元はと言えばあなたのせいなんですが!!
という思いを込めて思い切り睨むも、「結那こわーい」と悪びれる様子もない美波。
大体、なんで私だけ? 美波も呼ばれるべき、いや、美波が呼ばれるべきなのでは?
あ〜あ、放課後めんどくさい用事が増えてしまった……。

