花鎖に甘咬み



ぎゅーっとくっついたところから伝わってくる体温に、本当は、安心している。

真弓が、私のそばで生きてくれていてよかったって。


甘えるように、真弓の胸に鼻先をうずめると、真弓はぴくりと体を反応させた。



「───お前なあ」



ふーっとふいに熱く息を吐き出した真弓が、眉を寄せて。

なにかを堪えるように、ぐ、と喉仏を上下させたあと。



「可愛すぎにも程があんだろ」

「へっ?!」

「最初から思ってたけどさ。なんでそんな、いちいち、可愛いんだよ」

「そんな褒め、っ、んむ……っ」



褒めてもなにも出ないから、と言おうとしたのに、その半分以上が、真弓の口のなかに溶けて消えていった。


背中に腕を回されて、逃げ場もないまま、ちゅ、ちゅ、と合わせるだけの軽いキスが何度も落ちてくる。

じゃれつくようでいて、しっかりと羞恥を煽ってくるこの触れ合いが、真弓はどうやら好きらしい。

それは、この数日で知ったこと。