花鎖に甘咬み



「は?」

「好きだから……、真弓の全部、大切にしたい。それだけ、です」



純圭さんが息をのむ。
長い沈黙が落ちて、のち。



「お前の言い分はわかった」

「っ、じゃあ」

「だが、俺が手を貸すとでも? そもそも俺が〈白〉の主翼として、奴を欲しがっていたことは知っているだろう」

「わかってますっ! それでも交渉しにきたんです、絶対に譲れませんから!」



少しでも威嚇できれば、とキッと睨んでみるけれど、効果は少しもなかった。純圭さんは余裕の表情で私を見下ろして。



「なら、お前は何を差し出す?」

「え」

「“交渉” というからには、対価を示せ。俺が貴様の生ぬるい作戦に協力するに値するだけのな」

「……っ!」



対価、対価。
私が、純圭さんに差し出せるもの……?


頭をぐるぐると高速回転させる。
純圭さんが喜ぶもの? 好きなもの……?