花鎖に甘咬み



真弓が不機嫌に一瞬眉を寄せて。


「助かる」

「俺からはそれだけや。こっちは、これから〈白〉と総当り戦やからな。不本意ながら俺がNo.2なもんで。じゃー行ってくるわ」



背を向けて。
それから一度、振り向いた。

鋭い視線が真弓だけをまっすぐ射抜く。



「死んだら殺すで」



それだけ言い残してまた背を向けた花織さんは、あっという間にその姿が見えなくなった。

私の胸のなかに、嫌なざわめきを残して。



「……」



真弓の袖をひく。

視線がこちらに落ちたタイミングを狙って尋ねる。




「いったい、真弓たちは何をしようとしてるのっ?」

「知ってどうするんだよ」

「それは……でも、せめて、どれくらい危ないことなのかは知っておきたいの」

「お前を危険な目には遭わせねえよ」




そうじゃなくて、と反論する前に、真弓が私を強引に担ぎあげた。────といっても、いつかの調教が効いているのか、体に負担のかからないお姫様抱っこだったけれど。


それでも突然抱えあげられては、困る。




「なにっ、なんっ」