花鎖に甘咬み



それは、どういう。

息をのむと、相変わらず攻撃の手足は休めずに、真弓が淡々と言葉を紡いでいく。



「守る必要がないのと、俺が守りたいと思うのとは別だろ」

「な……」

「強い弱い関係なしに、俺が守りたいから勝手に守ってんだよ」


「!」

「わかったか?」

「は、はい……」




頷くしかない。


これも気まぐれなのかもしれないけれど、そんな風に思われていると思うと、もうとやかく言う気になんてなれなかった。




そのまま、数分間の膠着状態が続いて。


このままじゃあ、埒が明かない────と思った、そのとき、とつぜん周囲がざわめきはじめた。


「な、なに……?」



戸惑う私。



「来たか」



状況をすべて理解している様子の真弓。




一ノ瀬(いちのせ)だ!」

「〈赤〉だぞ、おい、一ノ瀬だ」

「一ノ瀬と────隣にいるのは宍戸……弟か?」

「アイツらがどうしてここに来る? 〈猛獣〉はもう〈赤〉から抜けたんだろ?」

「ともかく────うぐっ」




〈白〉の男たちが口々になにか言う。
なかには呻き声も混じる。


どうやら、新たに誰かがこの場に現れたみたいで。