花鎖に甘咬み




そんな真弓に、伊織さんはあからさまに呆れた顔をした。



「はいはいわかってるってー。マジで過保護おばけじゃん」



伊織さんの軽口を背に、真弓は裏口の向こうへ消えていく。

そして、残されたのは私と伊織さんのふたり。

図らずとも、ふたりきりになってしまった。
ちょっと、緊張してしまう。



「ちぃちゃん、とりあえず天津飯でいい? サクッと作れるから」

「あ……、はいっ、ありがとうございます」



裏返るぎりぎりの上ずった声で返事した私に、伊織さんはぴくりと眉を反応させた。



「ちぃちゃん、緊張してるでしょ」

「それは……まあ……おっしゃるとおりで……」

「マユじゃあるまいし、別に俺に緊張する必要ないよ」

「そう言われてもっ、そんなすぐには……」

「へえ。あのマユには平気なのに? ちぃちゃんって変なのー」



伊織さんの言い方が少し引っかかっる。
そして、そもそも……。



「あの」

「んー?」

「真弓と伊織さんって、どういう関係なんですか?」

「えー、相棒じゃない?」