「……え?」
「だってこの木があったから、美空、あの時ここに来てくれたんだろ?」
……あ、
「……そっか」
初めて湧人に会った、 あの日……
「あの時は人が入り込んでてびっくりした……いきなり突き飛ばされるしさ。 かなり動揺させられたけど、 でも……」
ゆっくりと湧人の視線が下りてくる。
「あの時からオレは美空に惹かれてた」
目を合わせ、湧人があたしにそう言った。
「もう一度、ちゃんと言いたかったんだ。 この木の前で……」
「……え、」
「オレは美空が好き。 初めて会った時からずっと美空が好きだった」
「…………」
昼休みの時と同じ湧人がここにいる。
まっすぐ見つめる銀の瞳……
瞳の奥には熱がこもり、あたしを捕らえて離さない……
「……湧人、 あたし、 どうしたら……」
「……ん?」
「……分からないんだ。 好きって言われて、あたしは湧人にどうすれば……」
すると湧人はクスッと微笑んだ。


