SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

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「……湧人、 見せたいものって……」


あたしは一本の木を見上げていた。

広い庭園の中、一際目をひくその存在。

青く茂った葉っぱの間からはいくつか白い花が見えている。


「ハンカチの木だよ。 だいぶ花は散ったけど……ギリギリ見せられて良かった」


「……ハンカチの、木……」


あたしはしばらく視線が離せなかった。

ハンカチの木は何事もなかったように、あの時の姿のまま、ちゃんとあたしの前に立っている。


「……また一緒に見られるなんて……」


ささやくような湧人の声……


「…………」


あたしは不思議な気分に包まれた。

いろいろな思い出が頭の中を駆け巡る……


「……そういえば、いろんな事があったね。 この、ハンカチの木の前で……」


「……うん」


「初めて湧人に会ったのもここだったし、 話したり、 満月の時には助けられたり、 家出した時は湧人が探しに来てくれた……」


「……うん」


サワサワと葉っぱが風に揺れている……


「この木が繋いでくれたのかな……オレと美空を……」


木を見上げたまま、湧人がそっとつぶやいた。