「ねえ、今日一緒に帰らない?」
ぼーっとしたままのあたしに湧人はさらりと聞いてきた。
「……おいッ!」
「これからは正々堂々、フェアプレーでいいだろ?」
「……っ、」
「……? 一緒に帰る?」
「うん。 見せたいものがあるんだ」
「……見せたいもの?」
言いながら、あたしは“う〜ん?”と考える。
「でも、いいの? 佑影と一緒に帰らないと、逮捕されるか、食べられるって聞いたけど……」
あたしは佑影からキツく言われていた事を湧人に話した。
「……? 逮捕? 食べられる?」
「うん。 何かの決まりであたし……逮捕されるんだって。
それとこの学校には、のっぴきならない魔物がいて、放課後は一刻も早くって。 佑影と帰らないと骨ごとバリバリ食べられるって。
だから佑影とさっさと一緒に帰ってたんだ」
「決まりで……魔物……」
「……っ、」
バツの悪い顔をする佑影。
そんな佑影をひと睨みして、湧人は再びあたしに目を向ける。
「美空? そんな決まりはどこにもないし、のっぴきならない魔物もいない。 逮捕も、食べられたりもしないから、佑影と帰らなくて大丈夫だよ?」
さとすようにあたしに言った。
「……本当?」
「うん、本当」
「じゃあ、一緒に帰りたい。いいでしょ佑影?」
あたしが聞くと佑影はフン! とそっぽを向く。
「美空の自由だと思うけど?」
「……勝手にしろ!」
横を向いたまま、諦めたように佑影は言った。


