SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を


「……っ、」


ふと離れ、


「もうオレ以外とキスしちゃダメだから!」


怒ったように湧人が言う。


「……う、ん……」


そのままあさっての方を向いてしまった湧人はツンとして、なにやらブツブツ言いながら、何もない所から何かをちぎって投げ始めた……


「……なに? オレが悪いの? ……だよね、オレが……」


「……?」


「美空は何も悪くない。オレがデタラメ言ったから……」


「……?」


その姿がいつかの湧人を見ているようで、なんだか妙にムズムズする。


「——湧人!」


たまらずあたしは湧人の腕を引っ張った。

ハッとしてこっちを向いた湧人に、今度はあたしの方からキスをする。


「……っ⁉︎」


「もう湧人としかキスしないから怒らないで!」


驚いたように固まる湧人にそう言って、そのままぎゅっと抱きついた。


「……あのさぁ、それ、反則だから……」


「……え?」


「……キス。不意打ちすぎ……」


「だめ、だった?」


「ううん、だめ、じゃない……むしろ……」


「……?」


「むしろ大歓迎」


顔を上げたあたしに湧人は微笑む。

そのままゆっくり顔を近付けて、今度は優しいキスをした。


「好きだよ美空、大好きだ」


ハンカチの木の下、

あたしたちはついばむようなキスを何度か繰り返す……


——サワサワサワ……


風に吹かれ、葉っぱたちがきれいに庭に待っていた。




————————FIN.