「……? 美空さま? これは?」


「居候代の5万の、足りなかった分だ。ペナルティの分の5万はさすがに払えないんだけど……」


「……居候代? ……ペナルティ? ……美空さま、それは何の事ですか?」


「調理担当の言いつけだ。 あの3人の言うこと、絶対守らなきゃいけないから……」


「……っ⁉︎ どういう事ですかっ⁉︎」


「あたし、本当にこれ以上、湧人に嫌われたくないんだ。 だからこのままじゃ良くない。 湧人の為に家を出るって決めたんだ」


「……ですからっ! 待って下さいっ! いろいろ話が噛み合いません! どうか冷静になって下さい!」


「冷静になるのは衣子の方だ。 じゃあ、あたしもう行くから」


「……っ、 待って下さいっ……!」


引き止める衣子を振り払い、あたしは湧人の家から出て行った……