「……美空、 試しても……いい?」
「……え?」
「イヤなら……拒んで……」
言い終えた湧人の顔がだんだんゆっくり近付いてくる……
「……えっ……」
途端にうるさくなる心臓……
……えっと……
……これって……
……これって、 もしかして……
距離が近くなるたびに神経が顔に集まってドキドキが大きくなってくる。
「……っ……」
間近に迫った湧人の顔……
少し首が傾いて……
唇まであと1センチ……
「……っ……」
……えっと……
……ええっと……
すると、
「…………」
何故か湧人は動きを止めた。
確かめるようにこちらの様子を伺っている……
そうして、 何かを見定めた後——
「————っ!!」
そっと唇が重なった。
「……っ……」
息をするのも忘れてしまう。
勢いがあった前のキスと比べると今回のキスは優しくて……
伝わる温度と感触に、意識が飛んだ感じになる……
……と、
ふっと唇が離された。
まだ間近にいる湧人は少し驚いたような、信じられないような、複数の感情が混ざり合った表情で、瞳は微かに揺れている。
「……オレ、 うぬぼれても、 いいのかな?」
発せられた言葉にあたしは何も言えなくて……
呆然と、しばらく身動き出来なかった。


