————帰り道。
さっきまで隣にいたグリムはもういない。
途中から一人になったあたしは自分の家までの道を歩いていた。
「…………」
まだ明るい空をぼーっと眺める。
「空はなんにも変わらないのに」
ポロリ、言葉がこぼれ落ちた。
改めて五年という時の長さを想像する。
あの因縁の闘いから五年……
かなり周りの状況が変わっていた。
例えば挙げてみると……
・黒木がハゲた
・やっと黒木とユリが結婚し、すでに子供が一人いる
・D.S.Pの場所が変わった
・D.S.Pのメンバーが変わった
・一ノ瀬が仕事を辞めていた
・一樹が副指揮官になっていた
・五年前に住んでいたマンションがD.S.P隊員専用のシェアハウスになって、今では大勢の人間が暮らしている。
変わらないのにものもある。
鬼頭会との関係はそのまんまだし、でも……
はっきりいって、あたしは今でも戸惑っている。
だって昨日の今日だったのだ。
あたしにとっては、普通に寝て起きたら五年が経っていたという感覚で、今もあの時のままを引きずっている。
いまだに変化を受け入れる事には苦労していた。


