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————朝。


「……んん、」


妙なあたたかさに目を開く。


……⁉︎


……ゆう、と……?


湧人がベッドに腰を下ろし、あたしを覗き込んでいる。

片方の手があたしの頭に触れていた。


「……ゆう……」


「ごめん。 ノックしたんだけど返事がないから、心配になって」


「……え? ……あ、」


窓から入り込む陽の光がまぶしい。

目を細めながらあたしはのろのろ上半身を起こす……


「会いたかった」


ふわり、湧人が微笑んだ。


「……?」


「だって、昨日もおとといもあんまり会えなかったから。 こんなに近くに……一緒に暮らしてるのに」


「あ〜、そういえばすれ違い。 バイトバイトでいっぱいで、朝も夜も……」


「……体は、大丈夫?」


「うん。 それは大丈夫」


「今日も、バイト?」


「うん、今日は一件だけ。 久しぶりにヒマなんだ。 終わったら学校行くつもり」


「そっか。 だったら帰り、駅前のカフェに一緒に行かない?」


「……え?」


「そこ、チョコレートケーキがおいしいんだって。 ……どうかな?」


「……あ、 ……うん、 行きたい」


「じゃあ、 約束」


また微笑み、湧人は部屋から出て行った。