SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を


「佑影、普段滅多に顔に出さないからどうなんだろうって思ってたけど……なんか安心しちゃった♪」


「……うん?」


「だって、怒るって事は気持ちがあるって事でしょ? 好きじゃなかったら怒らないもん」


「……好き……?」


そうこうしているうちに佑影が生徒に紛れて見えなくなる。


「……あれ? ゆうか——」


————っ⁉︎


突然、変な感覚に襲われた。

押し寄せる胸のざわめきと共に意識が後ろへ引っ張られる。

一瞬かすった懐かしい香りがゆっくりあたしを振り向かせる……


「……?」


別に変わった所は見られなかった。

廊下で話す女の子たち、男子生徒たちがふざけて笑い合っている。


……なんだったんだろう、 今の……


すると、


「……見ちゃった……」


同じ方を向いていたグリムがぼんやりつぶやいた。


「グリム? どうしたの?」


「……うん、 今ね……きっとそう……」


「……え?」


「見ちゃったの! ほんの一瞬だったけど! 王子だよ王子っ……二人目の王子! 王子が今そこを通って行ったの!」


「……王子?」


「ウワサ通りのすっごい超絶美少年だった! 一人目の王子とはちょっと違うタイプの王子! クールで、でも儚げで! 目の色がちょっと変わってた! 吸い込まれそうなぐらいきれいな——」

「——グリム、あたし、もう王子はいいよ」


キラキラと目を輝かせるグリム。

あたしはうんざりしながらも、さっき感じた違和感の正体を探っていた。