————それから……
あたしは湧人と保健室に来ていた。
あの後、何故だか変な空気になり、女たちは慌ててそこから逃げていった。
なんだなんだ? とだんだん人が集まる中、脳震とうを起こしているかもしれないと、湧人が保健室へと連れてきたのだ。
あいにく先生は留守中で、今は湧人と二人きり……
「湧人、 ごめん」
うつむき加減にあたしは言う。
「……ん?」
「あたしのせいで脳震とう」
「ああ、それは違うから」
湧人は首を横に振った。
「……え?」
「さっきはとっさの口実っていうか……美空に聞きたい事があったから……」
「聞きたい、 こと?」
「うん。 さっき、ちょっと気になって。 もしかして美空、オレのせいでまた嫌な目にあってるんじゃないかなって……」
探るような湧人の視線……
「……嫌な、 目?」
「うん。 さっきのコたちに、オレの事で何か言われたんじゃない?」
「……え? 別に何も……」
「本当に?」
「あ〜、 でも、 ただ……」
「……ただ?」
「あいつら、おかしなこと言うんだ。 ううん、おかしな事っていうか、初耳って言うか、それが引っかかって……」
「なに?」
「あのさ、湧人。 瞳を覗き込まれるのがイヤって、 本当?」
あたしは疑問を直接ぶつけた。


