「……噂の転校生……」
「……え?」
「お前のことはもうとっくに耳に入っている。芸能人……まるで女優みたいなやつがここへ転校してきたってな。そしてその彼氏の方もなかなかのイケメンだと……」
「……?」
「オレはてっきり、彼氏よりオレに興味があるんだと……。 この類まれな容姿に他の女子同様、一目惚れでもしたんだろうと思っていた。 ……だが、 ……フッ、お前は予想を裏切ってくれる……」
「……?」
「だが、だからこそお前に興味が湧いた。好きじゃなければ力ずくでもオレを好きにさせてやる……」
そう言うと男はますます顔を近付けてきた。
「……?」
鼻と鼻がぶつかりそうになり、男は顔を傾けて……
「——おいッ!」
突然の声があたしたちを引き離した。
「……っ⁉︎」
慌てて後ろを振り向く男、
視界が開かれ、あたしの目に見慣れた顔が飛び込んでくる。
「……ゆうかげ……」
それは不機嫌オーラを漂わせた佑影だった。
佑影は敵意の目で男を睨みつけている。
「……っ⁉︎ 誰だっ、……いつの間にっ、」
「うるせえよ」
佑影が言葉を遮った。
「キサマ、ふざけた真似をしてんなよ……よりにもよってオレの女に……」
「……オレの女? まさかっ、」
「コイツはオレの女だッ! 今度こんな真似をしてみろッ! お前のそのツラぶっ潰すぞッ!」
荒々しく言い放ち、佑影があたしを生徒会室から連れ出した。


