「……なに?」


「「「……あっ、 あのっ、」」」


湧人の冷静な態度とは逆に、女の子たちは三人とも顔を真っ赤にオロオロしている。


「……ほらっ、 言いなっ!」


真ん中の子がポンと押されて少しだけ湧人の前に出た。


「……あっ、あ、あのっ……私っ、」


「…………」


「……あのっ、 ……えっと……」


「…………」


どうしたのか、モジモジするばかりで、女の子はそのままうつむいてしまう。


「「……っ、 もうっ!」」


見兼ねた後ろの二人組が代わりに話を切り出した。


「橘先輩! このコ、橘先輩が好きなんです!」
「だから……どうか付き合ってもらえませんか⁉︎」


「…………」


「友達からでいいんです!」
「連絡先、交換してもらえませんか⁉︎」


「…………」


「お願いします!」

「このコ、本当に橘先輩の事が好きなんです! だからっ……!」


「ごめん」


祈るような顔の三人の前、湧人はそう口にした。