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「…………」


あれから何時間が経ったのか、目を開けるとすぐに青空が飛び込んでくる。


……そっか、 あたし……


徐々に思い出してくる。

火事で、 だから学校に来て、 屋上で寝て……


“……チッチッチッ……”


すぐそばでは目覚まし時計の音がする。

これは昨日の夜忍び込んだ時に用務員室からちょっと借りてきたものだ。

あとは布団代わりのダンボールが下に敷いてあるし、大きなボイラーが目隠しになっててほとんど人目につきにくい。

壁や天井がないだけで、ココはなかなか快適だ。


……きれい……


澄んだ青空。

見てるとスウ〜ッと意識が遠くなる。

そのまましばらく眺めていると、


——ガチャ……


誰かが屋上に入ってきた。


……?

ボイラーの隙間から見えたのは、あたしのよく知る人物だった。


……湧人……


まだこんなに早いのに、湧人がフェンスの前にいる。

ボイラーの裏で寝ているあたしには全く何も気付かない。

そこへ、


「「「橘先輩!」」」


女の子が三人、湧人に声をかけてきた。

朝練の途中で慌てて来たのか、手には楽器を持っている。