「すごい! 1位! なんで⁉︎」


「……なんでって、本来はこれが当たり前かな? 上位に入れば生徒会やらされるかもって思ってたから、今まで手を抜いてただけで……」


「やった! 1位だよ1位! 湧人が1位!」


「……どうしたの、 美空?」


「だって1位! もし生徒会長が1位だったら、あたし、あいつの彼女になってたんだ」


「……はっ⁉︎ それどういう——」
「そんなバカなあぁぁぁ〜っ!!」


眉を潜める湧人の脇を生徒会長が絶叫しながら走り去る……


「ウソだぁ〜! 何かの間違いだぁぁ〜!」


——ドドドドド……!


呆気に取られる生徒たち。


「美空! オレ頑張る! これからずっと1位取るから!」


何か察したのか、湧人があたしに断言した。


「本当⁉︎」


「うん本当。 次も必ず満点取る」


「やった! 湧人が1位なら安心だ!」


そんなあたしと湧人のそばを佑影が無言で歩いて行く……


「……あっ! 佑影! 佑影も頑張ったんだね! ありがとう!」


そう言うと、


「……フン。 やってらんねぇ」


不機嫌な声が返ってくる。

それでも“よかったな!” と言ってるように佑影は軽く手を上げた。