……ああ、 結愛……
結愛、 結愛、 結愛……
……俺は、 ……俺は……
「……結愛に、 会いたい……」
素直な言葉が溢れていた。
満足そうに美空が俺に微笑んで、今度は両手を繋ぎ合わせる。
——シュンッ!
「……っ⁉︎」
気付けば違う場所にいた。
雨のそぼ降る繁華街、
何軒かの潰れた呑み屋の間の道を、俺は呆然と眺めている。
「ここ、 この先の路地裏が二人の思い出の場所だよね?」
美空が俺の顔を覗き込む。
街はだいぶ様変わりしたが、この一角だけは懐かしい昔のままを保っている。
「ほら、 早く行って」
美空が俺の背中を押す。
「もうだいぶ前から結愛がそこで待ってるんだ。 こんな雨なのに、 凌駕は来ないって思ってるのに、 それでもそこで待ってるんだ」
「……っ、」
「凌駕が行かないとダメなんだ。 凌駕が行かないと始まらない。 二人はここからやり直すんだ」


