「……まあ、 なんだ……美空もそんなモンに興味を持つ年頃か……」
しどろもどろに言う玉ちゃん。
「まったく、 変に色気付きやがって」
凌駕は少し不機嫌になっている。
……?
あたし、 何か変なこと、 言ったのかな?
「あ〜、 えっと、 だから……」
首をひねりながら、あたしは言葉を探して言う。
「そうだ、 黒パーカーの事なんだけど!」
「……あん?」
「美空、 その話はもう……」
「ううん、 その話であたし、 言わなきゃって思いだした」
「……?」
「何をだ?」
今度は首を傾げる二人に、あたしはちゃんと向き合った。
「一般社会の事件の事。 ごめん。 今あたし、凶悪事件は全部鬼頭会に任せっきり。 陰のパートナーなのに悪いなって……」
「そんなもん、ちっとも悪いものか」
「むしろこちらとしては安心している。 お前には皆、平穏無事に暮らして欲しいと思っているからな」
「玉ちゃん、 凌駕……」
「それに、まったくしるしが反応していない訳ではないのだろう?」
「うん、たまに呼ばれてる。 本当に軽い事件だけ。 でも、なんていうか、前とは反応の仕方が違うような気がしてて……」
「……あん?」
「どういう事だ?」
「わからない。 でも、あれ?」
右手が熱くなってくる。
「なんだ?」
「どうした?」
「……うん。 あのさ、怖い話してるとよく霊が寄ってくるんだけど、今たぶんそんな感じ。 話に引き寄せられて……ほら、黒パーカーに反応してる」
あたしは浮かんだしるしを二人に見せた。
「おおっ」
「黒パーカーに反応が?」
「玉ちゃん、凌駕。 いつも悪いから今日はあたし行ってくる! 黒パーカーの正体、ちゃんとつき止めてくるから!」
そう言ってあたしは部屋を出る。
意識を集中させながら黒パーカーの所へ向かった。


