「ひどい! 私だってみんなにかわいいって言われてるのに! 美容とかダイエットとか頑張ってるのに! 私じゃ橘くんにつり合わないっていうの⁉︎」
「……そうじゃなくて……橘にも都合があるって言ってんだよ……」
「なに! どんな都合があるって言うの!」
「……ごめん湧人うるさくて。 今、 湧人の友達と女たちと、ファミレスでケンカしてるんだ」
「……というか、橘は誰とも付き合えないんじゃないかな? 付き合ったとしても本気で人を好きになれない。 たとえ今は一時的に天使さんに惹かれてるとしてもさ……」
「……なに、 それどういう事……」
「……橘には……忘れられない人がいる」
「……忘れられない人……?」
「……えっと、ここは学校の近くの……」
「前に聞いた事があるんだ。 橘……昔、大切な人を亡くしたって……その人の事がどうしても忘れられないって……」
「……亡くした……?」
「詳しくは知らないけど、それが相当ショックだったらしい。 だから今でも……」
「……そんなっ……」
「……もしもし? 湧人? ……もしもし?」
「ちょっとアンタ!」
「さっきからうるさい!」
「のんきに誰と話してんだよ!」
「……そんなっ……そんなの……私と付き合ったらきっと……きっと私が忘れさせて——」
「——無理だよ」
バッと誰かが割り込んだ。
その人物を見た途端、みんながハッと息をのむ……


