SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を


「ひどい! 私だってみんなにかわいいって言われてるのに! 美容とかダイエットとか頑張ってるのに! 私じゃ橘くんにつり合わないっていうの⁉︎」


「……そうじゃなくて……橘にも都合があるって言ってんだよ……」


「なに! どんな都合があるって言うの!」



「……ごめん湧人うるさくて。 今、 湧人の友達と女たちと、ファミレスでケンカしてるんだ」



「……というか、橘は誰とも付き合えないんじゃないかな? 付き合ったとしても本気で人を好きになれない。 たとえ今は一時的に天使さんに惹かれてるとしてもさ……」


「……なに、 それどういう事……」


「……橘には……忘れられない人がいる」


「……忘れられない人……?」



「……えっと、ここは学校の近くの……」



「前に聞いた事があるんだ。 橘……昔、大切な人を亡くしたって……その人の事がどうしても忘れられないって……」


「……亡くした……?」


「詳しくは知らないけど、それが相当ショックだったらしい。 だから今でも……」


「……そんなっ……」



「……もしもし? 湧人? ……もしもし?」


「ちょっとアンタ!」
「さっきからうるさい!」
「のんきに誰と話してんだよ!」


「……そんなっ……そんなの……私と付き合ったらきっと……きっと私が忘れさせて——」

「——無理だよ」


バッと誰かが割り込んだ。

その人物を見た途端、みんながハッと息をのむ……