見切ってしまえば行動あるのみだ。

俺は地面に突き立てていた魔槍を素早く抜き。

「そこだ!」

閃光の如き速さで投擲した!

狙うは哲平と異形者の間の空間。

その空間を繋ぐ、髪の毛の如き極細の『糸』!

投げ放たれた魔槍は、その極細の糸を見事断ち切る!

同時に。

「う…!」

文字通り糸の切れた操り人形のように、哲平がその場に膝をついた。

「姑息な真似をする」

俺は魔槍を拾い上げながら異形者に言った。

「どういうカラクリかは知らんが、貴様は哲平にこの『糸』を突き刺し、それによって奴を己の意のままに動く傀儡とした…種を明かしてしまえば子供騙しな策だ」

だが極細の上、半透明の糸。

この暗闇の中で、これに気づく者など少ないだろう。

「相手が悪かったな」

俺はニヤリと笑った。

「俺は夜目がきくんだ」