そんな心の内をなるべく見せないように、私は平静を装ってニヤッと笑って見せた。
「ふぅん。じゃあ先生が二重人格って、バラしちゃおうっかな~」
「……お前、死にたいんだな?」
「先生、人殺しは駄目ですよ? 教師なんですから」
教師じゃなくても人殺しは駄目だけど。
「俺は、もう面倒なのは嫌なんだよ。バラしたりしたら、お前の数学の評価、1にするからな」
「えーっ、不当評価ですぅ!」
「へえ~、不当ねぇ? それは中間テストが楽しみだな」
不当ですよ!……た、多分。
せめて評価2ぐらいの実力(?)は、あると思いたい。



