「先生、とても美味しいです!」 私のその言葉に、先生は満足そうに頷いた。 「そりゃあ、俺が淹れたからな」 「先生、これ、私も毎日飲みたいです」 「だめ。今日だけ」 「けち」 「お前……もう帰れ」 「嫌です。さっきの話の続きを聞かせてくれないと帰りません」 「あの話はあれで終わり。そもそもお前にする話じゃなかったし」 先生はボサボサの前髪を掻き上げながら呟いた。 先生の綺麗な顔が露わになり、私の心臓はドクドクと音を立てて、一気に早まる。