先生がいてくれるなら①【完】


「先生、とても美味しいです!」


私のその言葉に、先生は満足そうに頷いた。


「そりゃあ、俺が淹れたからな」

「先生、これ、私も毎日飲みたいです」

「だめ。今日だけ」

「けち」


「お前……もう帰れ」

「嫌です。さっきの話の続きを聞かせてくれないと帰りません」

「あの話はあれで終わり。そもそもお前にする話じゃなかったし」


先生はボサボサの前髪を掻き上げながら呟いた。


先生の綺麗な顔が露わになり、私の心臓はドクドクと音を立てて、一気に早まる。