先生がいてくれるなら①【完】


「……エリート、ねぇ。まぁ、親父と弟はそうかもね。俺はただの高校教師だけど」


「先生は医者を目指さなかっただけですよね? だって、先生がとんでもなく頭が良いのは、授業を受けてるだけでもだいたい分かりますから」


「──お前さ、突然そうやってぶっ込んで来るの、やめろ……」


そう言って、先生は顔を背けた。


なんか、心なしか先生の顔とか耳が赤い気がする。



「はぁ。こっちの部屋でお前と会話するの、無理だわ……。鍵も渡しておきたいから、続きは準備室にして」



先生は私に顔を向けること無く、足早に準備室へ入っていった。




私、何か変なこと言ったかな。まぁいいか。