「……エリート、ねぇ。まぁ、親父と弟はそうかもね。俺はただの高校教師だけど」
「先生は医者を目指さなかっただけですよね? だって、先生がとんでもなく頭が良いのは、授業を受けてるだけでもだいたい分かりますから」
「──お前さ、突然そうやってぶっ込んで来るの、やめろ……」
そう言って、先生は顔を背けた。
なんか、心なしか先生の顔とか耳が赤い気がする。
「はぁ。こっちの部屋でお前と会話するの、無理だわ……。鍵も渡しておきたいから、続きは準備室にして」
先生は私に顔を向けること無く、足早に準備室へ入っていった。
私、何か変なこと言ったかな。まぁいいか。



