信号が赤になり、車をゆっくりと停止させた。
コイツ、ほんと面白い。
ちょっとからかってやるかな。
「あぁ、なるほど。知らない男の車に乗ってしまった、と」
俺が立花の方を向いてニヤリと笑うと、立花の表情が焦りに変わる。
「おまえ、……バカ?」
ありったけの嫌みを込めてそう言うと、立花は茫然とした表情に変わった。
ふっ、百面相かよ。
仕方ない、種明かししてやるか。
セットしてある髪を崩しジャケットのポケットに入れていた眼鏡を取り出してかけて見せると、ようやく俺の事が誰か分かったようだった。
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