もう、繋いだ手を、離さなきゃいけない。


分かっていても、どうしてもすぐに離すことが出来ない。



繋いだ手に、一度だけ少し力を込めて。


──その手をグッと引いて、軽く抱きしめた。


驚いたのか、少しビクッと身体を硬直させたが、すぐに俺に身体を預ける。


ん、素直でよろしい。


「おやすみ」


抱きしめてそう囁くと、立花が「おやすみなさい……」と答えてギュッとしがみついてきた。



はぁ、これで離れなきゃいけないとか、ホントに拷問だ。


我慢大会か何かか?


少しだけ強く抱きしめ直して、それからゆっくりと立花から身体を離す。