背中と膝裏に腕を回して抱き上げて落ちないように掴まらせると、恥ずかしいのか、震える声で俺を呼んだ。 ──反則だよなぁ。 そう言う声、耳元で聞かされる身にもなってくれよ。 もういっそ、どこにも降ろす場所なんか無ければ良いのに。 なるべくゆっくり砂を踏みしめて歩き、コンクリートで出来た階段に座らせる。 足が砂に付かないようにユキさんに借りたタオルを立花の足の下に敷いた。 タオルが砂だらけになるけど、そんな事知るか、コイツの足が優先に決まってる。