「言わないとやめないから」
「な、何を……」
「何か言いたい事あるんだろ? それ言わないと、やめないから」
うー、この人は……悪魔だ、暴君だっ。
「……く、くすぐったいから、それ、やめて下さいっ」
「ふうん、くすぐったいんだ?」
「くすぐったい、です……」
先生は「そう」と言いながらもう一度手の平を撫でてから、やっと絡めた指を解いた。
繋がれていた手が離れるのがちょっと寂しくて先生を見上げると、先生は困ったような表情で微笑みながら、離しかけた私の指をもう一度先生の手の中に閉じ込めて、キュッと優しく握る。
先生のその表情と仕草は、さっきの少し意地悪な笑顔とは違ってなんだかとても優しくて……。
愛おしい物を愛でる時のそれのように思えるのは、私の勝手な想像で、妄想で、期待、なのかな……。



