先生がいてくれるなら①【完】


先生は顔に不敵な笑みを浮かべていた。



──この表情の時って、……何か悪い事を考えてる時な気がする。



「な、何もありません……」

「……ふぅん?」


首を少し傾げて、私の顔を覗き込む。


私は先生に顔を見られないように顔を逸らして俯くと、先生が指を絡めて繋いでいた手をほんの少し緩めて、また親指で私の手の平をツイッと何度か撫でた。


「~~~っ、せっ、先生っ!」


顔を上げて先生を見上げると「なに?」と素知らぬ顔でもう一度私の手の平を撫でる。


「せ、先生の、ばかっっっ」


もう顔と耳が熱くなりすぎて耐えられず、私は帽子を目深に被って、俯いた。