先生は顔に不敵な笑みを浮かべていた。
──この表情の時って、……何か悪い事を考えてる時な気がする。
「な、何もありません……」
「……ふぅん?」
首を少し傾げて、私の顔を覗き込む。
私は先生に顔を見られないように顔を逸らして俯くと、先生が指を絡めて繋いでいた手をほんの少し緩めて、また親指で私の手の平をツイッと何度か撫でた。
「~~~っ、せっ、先生っ!」
顔を上げて先生を見上げると「なに?」と素知らぬ顔でもう一度私の手の平を撫でる。
「せ、先生の、ばかっっっ」
もう顔と耳が熱くなりすぎて耐えられず、私は帽子を目深に被って、俯いた。



