私を抱き上げたまま先生が歩き出したので、私は落ちないように先生の首に腕を回してしがみつくしか無かった。
「せ、せんせいっ!」
「おい、暴れたら落ちるぞ?」
「だ、だって、……っ」
宙に浮かぶようなふわふわとした感覚──。
私を支える先生の力強い腕──。
先生の顔が私の顔のすぐ近くにある。
もう何をどうしたら良いか分からなくて、私は顔を赤くしたまま、ただただ先生にしがみつくだけだった。
「先生……っ」
このままどこまで運んでいくんだろう。
抱き上げられている時間は長かったようにも思うし、あっという間だったようにも思う。



