「わわっ、す、すみませんっ」 「だから危ないって言っただろ?」 先生は私を抱き留めたまま、私の耳元でハァ、とため息をついた。 先生の吐いた息が私の耳のそばの髪にかかって、髪がほんの少しだけ、ゆらりと揺れる。 それほどまでに近い距離に先生の顔があるのだと思うと、私の心拍数が一気に最速まで駆け上がった。 「お前ホント言う事聞かないし、危機感も無さすぎ」 「う……すみません」 背中に回された先生の手に少し力が込められ、持っていたサンダルが私の手元でブラリと揺れた。