少し歩くと、目の前は砂浜と海──。 この辺りは遊泳禁止らしく泳ぐ人はいない。 砂浜に打ち寄せては引いていく波の音が耳に心地良く、水面は太陽の光を浴びていつまでもキラキラと輝いている。 海の上を吹き渡ってきた優しい潮風が私と先生の髪をゆらりと揺らした。 波は穏やかで、私が波打ち際へと近づくと私の意図をくみ取った先生が「足首までだけだぞ」と苦笑いしながら言った。 繋がれていた手が、解かれる。 私は履いていたサンダルを脱いで、ストラップを指に引っかけてブラブラとさせながら波打ち際を歩いた。