「明莉ちゃん、しんどくなる前にちゃんとコイツに言うんだよ? 何でも言う事聞いちゃダメだからね! 海に足浸けても大丈夫だよ、ここですぐ洗えるから。あと……」
ユキさんが色々アドバイスをしてくれる言葉を遮って、先生が私の手を引いて歩き出す。
「ちょっ、こら孝哉っ!」
「はいはい、行ってきます」
「せ、先生~っ」
ユキさんから私を引き離すためとは言え、先生は私の手を握ったまま……。
ええっと、どこまでこのまま……手を繋いだまま行くんでしょうか?
か、顔が熱いのは、きっと外の暑さのせいだけじゃない、よね……。



