先生がいてくれるなら①【完】


「明莉ちゃん、しんどくなる前にちゃんとコイツに言うんだよ? 何でも言う事聞いちゃダメだからね! 海に足浸けても大丈夫だよ、ここですぐ洗えるから。あと……」

ユキさんが色々アドバイスをしてくれる言葉を遮って、先生が私の手を引いて歩き出す。


「ちょっ、こら孝哉っ!」

「はいはい、行ってきます」

「せ、先生~っ」


ユキさんから私を引き離すためとは言え、先生は私の手を握ったまま……。


ええっと、どこまでこのまま……手を繋いだまま行くんでしょうか?


か、顔が熱いのは、きっと外の暑さのせいだけじゃない、よね……。